アサギマダラよ
今、何処にいる
沖縄の地か
いまだひとりで暮らしているのか
お前と出会ったのは
去年の夏の終わり
ふる里蒜山の単独山行だった
尾根筋をのぼるわたしの前に
お前もひとり
ひらひらと迷い人のように降りてきた
飯豊連峰を飛び立って南下してきたのか
その距離千キロ
お前は疲れたようすだった
フジバカマの花枝にぶら下ると
死んだように静止した
眼下に霞む蒜山高原
尾根の草花にお前がひとり
それを見るわたし
熱く緊張した時間があった
お前はなぜひとりなのか
今も群れから外れたままなのか
あの時の刺されるような記憶が
よみがえる
現代詩ランキング
2024年12月05日
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