わたしの住む町を歩いてみる
近所の家も店も街路も
干からびて静かだ
車だけが
亀裂の入ったアスファルトを通り抜ける
人の出てこない住宅街も
そっけなくただそこにある
40年もこの町で暮らしたというのに
思いは浅く、広がらない
家の近くに遺失物のような稲田がある
稲田に沿って
用水がカーブを描いて流れる
崩れて放置されたたぶどう棚や
草花を伸び放題にした畑も見える
私の好きな風景だ
その風景に欠かせないのは
人、その人が
近頃、集落の背景になっていた山とともに
表舞台にせり出したように見える
あなただけではない
見捨てられた年金老人が
暮らしに悲鳴をあげ
風景の中に出てきたのだ
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2024年11月22日
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