2024年11月09日

こんな肉体でも

 転がしてでも
  死の淵まで運ばにゃならぬ
  こんなに汚れた肉体ても

  きのう、仕事が切れた
  きょう、ハローワークに行った
  《年齢不問》と求人票に書いてあるが   
  実はナナニまでよ
  隣のボックスのメガネの老人が
  こっそり教えてくれた
  俺はナナイチだ、まだいける
  失礼だがあんたは
  ハチゼロにいってんじゃあない
  ハローワークは老人であふれている

  「人生百年、長生しましょう」
  役人が言いやがった
  仕事がありさえすれば
  人間どうだって生きてゆける
  「人生百年」と幸せそうに宣伝した奴は
  老人の仕事をつくれ
  年金暮らしは萎み、先は無い  
  死の淵は遠いぞ


 
  
posted by kanda minoru at 21:27| Comment(0) | 現代詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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